「おすそわけ」暮らし
2020年 02月 11日
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴ります。
物騒な世の中ですから、きちんとモニターでチェックして。
あ、ご近所さん。
「はいはーい」
家事の手を止めて、玄関へ。
「これ、たくさん貰って食べきれへんから、良かったらもらって!」
「わぁ。ありがとう!うちも、さっき、畑から白菜とってきたんよ。いらん?」
「えーの?ほな、今日はお鍋やなぁ」
「うちもお鍋やねん」
なんて会話は、都会ではもう過去のものなんですね。
我が家では、この会話は日常茶飯事。
昨日のお裾分けを並べてみたら、こんなにたくさん。
日曜日には、鯛を12匹もいただいて、鱗まみれになりながら下処理をしたら、煮付けと塩焼きに。
なんて贅沢な食卓なんや〜と。
家族みんなで、ありがたく頂戴したのでした。
「おすそわけ」で暮らすことを知ったのは、この物語。
おソノさんに、宅急便をはじめたいと相談をしたキキは、料金をきめるのが難しいわねぇ、と言われてしまいます。
「それでしたら、ほんのおすそわけでけっこうなんです」
とキキは答えるのですが、おソノさんには、こう聞かれてしまいます。
「えっ、なに?それ」
そこでキキは、魔女はそうやって暮らしていると話し、こんな関係を「もちつもたれつ」と言うのだと説明するのでした。
「そういえば……そんなことば、あったわねぇ。でも、それじゃたりないでしょ?」
「いいえ、あたしたち、あまりいろいろなものいりませんから。洋服もこのとおりだし、食べものもすこしでいいし……なければないようにやっていくつもりですから」
なければないようにやっていく。
それは、暮らして行くことの醍醐味。
だからこそ、工夫が生まれるのだと思います。
黒いワンピースだけで生きていくと決めたキキに、色とりどりのクローゼットが、すこし恥ずかしい私です。
大好きな物語は、文庫本でも買っておいて。
いつでもお出かけに連れ出せるように。
by moominnmamma
| 2020-02-11 15:39
| 魔女の暮らし